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ADHDとワーキングメモリ

脳の働き
Pezibear / Pixabay

0.はじめに

ADHDの人は落ち着きがない、整理整頓がない、ミスが多い、人の話しが聞き取れないなど、社会生活を送る上で生きにくさを感じる原因のひとつともなっています。
主に子供に焦点が当たることが多いですが、成長してから見られる事もあります。発症原因についてはよく分かっていませんが、ワーキングメモリが小さいことが指摘されています。
ここでは、主にADHDとワーキングメモリとの関係とについて書いていきたいと思います。

1.ADHDの特徴

ADHD(注意欠陥多動症/注意欠陥多動性障害)の特徴として、
衝動的、注意力不足、じっとしていられないといった症状が見られますが、一般的にワーキングメモリ(作業記憶)が弱いといわれています。

特徴)
・ひどく忘れっぽい
・中途半端で終わる
・同じミスをくり返す
・整理整頓ができない
・人の話しをよく聞き取れない
・突然一つのことだけを長時間やり続ける
・突然不安になったり泣いたりする
・集中力がすぐに切れる
・気が散りやすくて、物事に集中することが苦手
・やりたいこと・好きなことに対してはとても集中して取り組むが切り替えが苦手
・忘れ物や物をなくすことが多く、ぼーっとしているように見えて人の話を聞いているのか分からない。
・シャツをズボンから出し忘れる
・シャツをズボンに入れ忘れる
・ファスナーを締め忘れるといったミスが日常生活で頻発する

2.ADHDとワーキングメモリ

記憶の分類には種々の分別法が有りますが、大きくわけて長期記憶と短期記憶、機能的にわけて意味記憶とエピソード記憶(いつどこで何をしたかというタイプの記憶)、さらに作業記憶(ワーキングメモリ)に分類することができます。

ワーキングメモリ (working memory:作業記憶,作動記憶) とは,短い時間に心の中で情報を保持し,同時に処理する能力のことを指します。会話や読み書き,計算などの基礎となる,私たちの日常生活や学習を支える重要な能力です。

このはたらきが弱いと、物事を忘れやすくなったり、耳や目から入ってきた情報を、スムーズに頭の中で処理できなくなります。

ADHDはワーキングメモリが小さいため起こると言われていますが、減少する理由についてはよく分かっていません。

前頭葉、大脳基底核の血流が少ないことから、前頭葉と大脳基底核が上手く機能していないためという説や、ドーパミン作動性ニューロンの機能異常といった説、海馬萎縮が原因という学者がいます。

3.ワーキングメモリとは

ワーキングメモリといった考え方はパソコンの処理演算でも使われますが、パソコンを例で説明します。

キーボードで入力されたデータの処理演算は、CPUとDRAMといった部分の連携で行われます。
CPUはデータを計算、処理し、DRAMは途中計算を記憶する部分です。DRAMはハードディスクのように、同じ記憶媒体ですが、ハードディスクのようにデータを長期保存する部分ではなく、計算時に一時保存するだけで、処理が終わったら消去されます。

ワーキングメモリとは、このDRAMのような部分に相当するもので、この部分の容量が大きいほど多くのデータを保存することができ、効率よく処理できます。逆に容量が小さいと処理効率が落ちてしまいます。

CPUとDRAMの働きをみると、CPUは前頭前野、DRAMは詳細は不明ですが、前頭前野の中にある部分あるいは海馬といった部分に該当します。
目、耳から入ってきた情報は一度DRAMに該当する部分に一時保存され、その情報を総合的に前頭前野で判断しアウトプットされます。

ワーキングメモリ3

4.ワーキングメモリの処理効率

ワーキングメモリの容量が低下すると情報処理効率が低下してしまいます。
例えば、パソコンの性能を高めるためにCPUとDRAMを取り変えることがあります。
HighスペックなCPUに交換したとしても、DRAMの性能が低いままでは、いくら計算速度が速くてもあっというまに記憶容量がオーバーフローしてしまい、CPUの性能をフルに活かすことができません。

逆に、LOWスペックなCPUで、HIGHスペックなDRAMを取り付けたとしても、DRAMの未使用な領域が増えるだけで処理量は変わりません。

そのため、CPUをHighスペックなものに交換するときは、それに見合った容量のDRAMも交換しなければCPUの性能をフルに発揮できません。

ワーキングメモリ1

5.人の話しが理解できないのは

ADHDの人は人とコミュニケ―ションが取れない方も多く病気と言われることが多いですが、実は家庭内に問題がありストレスを必ずといっていいほど経験しています。
優秀な大学を出た人でも全くコミュニケーションが取れないといった人がいますが、そういった家庭の人はだいたい家庭等でストレスを受けている人が多いです。そのため、コミュニケーション能力が低いからといって頭が悪いという相関関係はありません。

338px-Dirac_4

例えば、寡黙で有名なノーベル賞受賞者のポール・ディラックはいい例でしょう。

ディラックが講座を行い、最後に
「何か質問はありますか」
と言った

ある人は手を上げてこう言った。
「そこの式変形が理解できなかったのですが…」
ところがディラックは何もアクションをしない

周りの皆が困ってしまったので司会が
「ディラックさん、今の質問に対して何かお願いします」
と言ったところ、ディラックいわく

「いまのは質問ではなく感想だ」

ストレスを受けると、短期記憶を司る「海馬」が委縮するため、ワーキングメモリ低下に影響し、それがコミュニ―ケーション力に影響しているとも考えられます。

例えば、ストレスもない環境であると、海馬は正常であるため入ってくる声、文字情報のストック容量は多いため、聞き逃しもなく理解することが可能になります。

しかし、ストレスで海馬など脳機能が委縮してしまうと、ストックできる容量が少なくなってしまうため、聞き逃してしまう情報量が増えてしまいます。

ワーキングメモリ2

たとえ、前頭前野が鍛えられ、天才的であってもコミュニケーションに関しては上手く発揮できないという障害がでてくる可能性があります。

6.天才にADHDが多いという考察

天才にはADHDが多いと言われています。
例えば、アインシュタインは記憶力が悪く、また語学が苦手であったのもワーキングメモリが少なかったからかもしれません。

ADHD的症状がでると、
強迫観念(自分の意思とかかわらずに繰り返し同じ事を繰り返す)
症状がでて、
『無駄でどうでもいいことを考えてしまう』
といった人を良く見かけますが、自問自答して考える「哲学思考」の人が多い傾向にあるように思います。

アインシュタインは「思考実験」が得意でしたが、これも「強迫観念」で執拗に考える癖から身についたものではないかと思います。
思考実験とは、頭の中で大ざっぱなパラメータを入れてシュミレーションしていくもので、数値で表せないような人間感情、哲学的なものを考えるには適しています。

ADHDと思考

前頭前野は「創造性」を司る部分であるので、強迫観念は前頭前野を鍛えるトレーニングにもなっている可能性があります。
アインシュタイン、釈迦、織田信長、レオナルドダビンチといった天才達もADHD的な症状をもっていますが、基本的には同じ哲学的思考で、似た共通点があります。

ADHDで記憶力が低下し、一般的能力は落ちてしまうというデメリットはありますが、創造力を天才レベルまで高めるには必要なものなのかもしれません。
そのため、ADHDになったからといって悲観するものではなく、何か人とは違った才能を発見し、それを利用して武器にしていくことも一つの手であると思います。

ADHD