溜め込み障害

強迫性障害
Hans / Pixabay
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1.溜め込み障害とは

溜め込み障害(Hoarding Disorder)とは、一般的には価値がないとされるゴミやガラクタを集めてきては捨てきれず、家の中がゴミであふれてしまうほど溜め込んでしまう症状です。

溜め込むものは、新聞、雑誌、書類、チラシ、レジ袋、包装紙、空き箱、使い捨て容器などが多く、無料や安価で手に入る物が中心で

「いつか使うかもしれない」

と溜め込んでいきますが、整理せずに放置してゴミの山のように積み重なっていきます。

家の中は散らかり放題で、足の踏み場も無く悪臭が漂い、「ゴミ屋敷」と呼ばれる状態になる場合がほとんどであるため、精神的な苦痛が強く日常生活に障害が伴うものとされています。

最新の診断基準では、溜め込み障害は強迫性障害から独立した障害となり、強迫性障害の関連疾患のひとつという位置づけになっています。

趣味のコレクションは膨大になっても強い不安や苦痛は伴わず、物であふれかえっても置き場が整理がされていることがほとんどで、精神的苦痛が伴わないため溜め込み障害とはみなされません。

2.発症

欧米の調査では2~6%の有病率と報告されており、少なくない障害です。
発症は11~15歳の頃から始まることが多く、男女差はほとんどないと考えられていますが、女性の方が過剰な買い物をする傾向にあるようです。
20代から日常生活に支障がではじめて、30代になって問題が顕在化することが多いといわれています。
強迫性障害者の20~40%で、溜め込み障害の症状があると報告されています。

3.症状

物を捨てることにも『勿体なさ・苦痛・不安』が伴う一方で、捨てられないことに対しても『苦痛・不安・不満』を感じているというアンビバレンツ(両価的)な心理状態となります。

客観的に見て『役に立たないもの・価値がほとんどないもの・ゴミやガラクタの類』を過剰に集め続けて、部屋が物で埋まっていってしまい、居住空間が異常に狭くなって圧迫され、『玄関・トイレ・風呂・洗面所』などの生活に必要な設備が使用でき ない状態になってしまうことがあります。

酷い状態になると、家の外まで物があふれでて、ゴミ屋敷と化し近隣住民にまで迷惑を与えることもあります。

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4.なりやすい人

溜め込み障害者の50%が、同様に溜め込み行動をする親族がいると報告されています。

生物は剥奪体験をすると物を溜め込むことが本能的に備わっていますが、人間も同じように幼い頃に
親から
「大切にしていたおもちゃを捨てられた」
といった体験を持っている人がなりやすい傾向にあるようです。

そういった親は過干渉的な親が多く、過干渉によって育てられた子供は、親が亡くなった事をきっかけに溜め込み障害を発症するケースが多いといわれています。

几帳面でまじめで、ストレスをかかえやすい性格の人に多く、うつ病、統合失調といった精神疾患も深く関わっています。

「心の中に潜む孤独感、寂しさ」が、溜め込み障害の根本的な原因であると考えられています。

5.精神医療での治療法

薬物療法はあまり行われず、「認知行動療法」がおもな治療法とされています。