行動療法ー系統的脱感作

心理療法の種類
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1.系統的脱感作とは

系統的脱感作は、恐怖や不安に対処していく技法で、「恐怖症、不安障害」といった症状の緩和に利用されています。

考案者は南アフリカで戦争神経症の治療を行っていた精神科医、ジョセフ・ウォルピで

「逆制止の原理」

を利用した行動療法の1つです。

逆制止の原理」とは、不安や恐怖と相反する反応(拮抗反応)を同時に起こすことができれば、不安や恐怖は打ち消されるという説です。

簡単にいうと、不安や恐怖といったマイナス感情を感じているときに、同じ強度の安心・リラックスといったプラス感情を感じているようにしていくと不安はなくなっているといった考え方です。

(例えば、蛇恐怖症の人が、蛇を見ているときにリラックスな状態でいるようにする)

系統的脱感作は別名(逆制止法)ともいい、不安・緊張・恐怖といったマイナス感情を感じる刺激(状況、場所、物など)と向き合った時、リラックス感、心地よさ、安心感などのプラス感情を繰り返し段階的な経験をしていくことで、マイナス感情を打消していく方法です。

効果は弱く、あまり臨床では使用されていない方法ですが、手軽に一人で実践できるメリットがあります。

補足 古典的条件付け(レスポンデンド条件付け)

行動療法は
・古典的条件付け(レスポンデンド条件付け)
・オペラント条件付け
・観察学習(モデリング理論)
といった3大理論がありますが、系統的脱感作は古典的条件付けの部類に属します。

古典的条件付けは、旧ソビエトの生理学者イワン・パブロフによる「パブロフの犬」の実験で誕生した理論です。

犬の唾液分泌の実験をしていたパブロフは、飼育係の足音を聞きつけるだけで、実験室で飼っていた犬がよだれをたらすことに気づいたことから実験が始まりました。

  イワン・パブロフ

まず彼は、犬の頬に手術で管を通し、唾液の分泌量を数値で測定できるようにしました。

次に

「ベルを鳴らす」⇒「エサを与える」

というセットを繰り返し(条件づけ)、犬の唾液分泌量を測定しました。

その結果、犬はベルを鳴らしただけで唾液を出すようになったといいます。

つまり、本来なら生理的に、餌をみせる(無条件刺激)とよだれを出す反応(無条件反射)が、全く関係のない刺激(中性刺激)を与えることでもよだれを出す反応(条件反射)に置き換える事が可能といった発見をします。
 彼はこの実験結果を「条件反射」、「無条件反射」としてまとめ、1904年、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

内外の刺激に対して、神経系を通しておこる生活体の反応を、反射と呼ぶ。通常、反射と呼ばれるのは無条件反射であり、これはその種が先天的に持っている反射行動である。これに対し、経験などで後天的(後付け)に獲得された反射行動が条件反射(conditioned reflex)である。現在では先天的な反射に限らず様々な行動が研究されているため、心理学では条件反応(conditioned response)というのが普通である。

系統的脱感作法の基本的な原理は、条件反射を利用したものといえます。

2.対象となる症状

恐怖症、不安障害、強迫性障害、PTSD、あがり症など

3.下準備

系統的脱感作法を行うツールとして、

・不安階層表の作成
・筋弛緩法のマスター

が必要です。
まずは、これらの下準備、トレーニングが必要になります。

3-1.不安階層表の作成

不安階層表とは、不安や恐怖を感じる刺激や場面を具体的に挙げていき、それらを約10段階、0~100点の強度(SUD)に振り分けて段階的に配列させた表です。

まずは、対象とする恐怖の場面を箇条書きにしていくつかあげていき、その中から10個抜き出して軽度→重度に並べていきます。

次にそれぞれの場面での、不安・緊張・恐怖の強度SUDを0~100点で評価します。
SUD:自覚的障害単位

(具体例)
あがり症の人の場合、どのような場面であがるかSUDでランク付け。

No項目SUD
家族との対話10
親しい友人との対話20
親しくない人との対話30
上司への報告40
小グループでの会話50
失敗事を上司へ報告60
会議室での報告70
少人数での会議の進行役80
50人以上の人前でのプレゼン90

10

大人数の会議の進行役

100

3-2.筋弛緩法のマスター

筋弛緩法は、「自律訓練法」、「漸進的筋弛緩法」といったリラクゼーション法で、様々な種類があります。どんな場面においてもリラックスできる方法を考え、意図的に実施できるようにします。自分にあった筋弛緩方法を一つ見つけ練習します。

<筋弛緩訓練の種類>

4 手法

不安階層表の中で示された刺激項目に対して、弛緩反応を条件づけの訓練をします。

これを脱感作といいます。

脱感作には、その場所にいって現実場面で体験させながら脱感作する場合(現実脱感作)とイメージに基づいて脱感作する場合(イメージ脱感作)の2通りがあります。

どちらも不安階層表に基づいて行われますが、ここではイメージ脱感作について説明します。

具体例

自律訓練で行う場合

  1. リラックスできる椅子に座るか、仰向けに寝転ぶ。
  1. 階層表中でSUDが一番弱い場面をイメージ。
  1. 自律訓練で弛緩反応を行う。
  1. 緊張状態がなくなったら、ランクをあげる。
  1. 3と4を繰り返していき、最もSUDが高い部分で緊張がなくなれば終了。

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