記事No.10  真理と関係する?金星を表す世界の女神

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1.金星は真理を表すシンボル?

太陽系に存在する惑星で、肉眼で見えるものは、水星、金星、火星、土星、木星です。
なかでも、地球にもっとも近く、一際光り輝く惑星が金星で、夜明けと夕暮れに見えることから
「明けの明星」「宵の明星」と呼ばれています。
また、夕焼け時に一番最初に現れる星「一番星」が金星です。
とても目立つので、誰もがみたことがあるのではないかと思います。

そんな金星は、神話や宗教的な歴史をみていくと、真理のシンボルを表しているようにも思えます。

例えば、仏教では、
12月8日に釈迦が「明けの明星」を見て真理を悟った伝承があります。
(ちょうど真珠湾攻撃した日)

また、真言密教を開いた弘法大師空海は、高知県室戸岬の御厨人窟(みくろど)で修行している時、「明けの明星」が口の中に飛び込んで 悟りを開いたと伝わっています。
この時、洞窟の中で目にしていたものは空と海だけであったことから空海と名乗ったようです。

キリスト教においては、サタン、悪魔と同一視されるルシファー(ラテン語で「光をもたらす者」が明け明星を意味し、 聖書のヨハネ黙示録22章16節では、
「・・・私はダビデの根、または子孫、輝く明けの明星である」
とイエス自身が「輝く明け明星」と宣言しています。

アステカ神話では、農耕・文化の神である、ケツァルコアトルがテスカトリポカに敗れ、 金星に姿を変えたとされています。
ケツァルコアトルは、蛇神で、ギリシア神話におけるプロメテウスのように、人類に火をもたらした神ともされています。

こうしてみていくと、共通して「金星」が何か特別な星のように示しているように思えます。
果たして、金星はどのような意味があるのでしょうか。

2.金星の大陸名

金星は、地球の内側を通る地球ととてもよく似た惑星で姉妹星。
西洋の星占いでは、金星は♀のシンボルで表され「女性」を表すそうです。
金星の表面には、地球と似て大きな平野をもつ大陸が3つ存在し、大きな大陸名として、イシュタル大陸、アフロディーテ大陸、ラダ大陸をはじめとして、大地や高原には世界各国の女神の名前がつけられています。
日本の女神としては下記のような名前がつけられているそうです。

日本神話やアイヌ神話、日本の民話などに由来するものとしては、ユキオンナ・テセラ(雪女)、ニンギョ・フルクトゥス(人魚)、ウズメ・フルクトゥス(天鈿女命)、ヤガミ・フルクトゥス(八上比売)、セオリツ・ファッラ(瀬織津姫)、ベンテン・コロナ(弁天)、イナリ・コロナ(稲荷神)、カヤヌヒメ・コロナ(鹿屋野比売)、オオゲツ・コロナ(大宜都比売)、トヨウケ・コロナ(豊受大神)、ウケモチ・コロナ(保食神)、イズミ・パテラ(和泉式部)、オタフク台地(お多福)、オトヒメ台地(説話浦島太郎の乙姫)、カムイフチ・コロナ(アイヌ神話の火の神カムイフチ)などがある。

3.世界の女神

こうしてみると、金星と女神が深く関わっていそうです。
女神というと、「ビーナス」を思い浮かべるかと思いますが、女神神話の原点は神話の中でも最も古いシュメール神話からきているようです。
そこで、シュメール神話から時代を下り、世界の金星にかかわってくる女神について調べてみました。

ニンフルサグ(シュメール神話)・・・イザナミ的人類創世の女神 

メソポタミア領域に突如できた都市国家シュメールでつくられた最も古い神話がシュメール神話。
シュメール神話 (紀元前40~31世紀ごろ) における、大地と豊穣の女神で、「ママ」の語源となっている、世界の神話における女神の原点的存在で、「天における真に偉大なる女神」 と讃えられています。

天空神アン(父)と妻キ(母)の子で、「エンリル」「エンキ」の妹であり、 運命を定める7人の神々の一人。
エンリルとエンキも重要な神で、エンリルは荒々しく人間嫌いな風雷の神、エンキは知と水に関わり人を助ける役割を果たしていきます。
ニンフルサグは、兄エンキと協力し粘土から人間を創世し、人間に知識と創造を与えた女神で、 エンキがチグリス・ユーフラテス川、ニンフルサグがメソポタミアの大地を象徴 しているようです。
シンボルは子宮、Ω(オメガ)、蛇、金星、雌牛の姿で描かれることもある 。
2本ツノをもっていることから、エジプト神話のハトホルに習合しているとも考えられています。
金星シンボル」の原点とも考えられる。

2本角のついた頭飾りに段々のスカートをまとい、肩には矢筒を背負った姿で描かれることが多い 。

エンキ(左)とニンフルサグ(右)が人類創世について話し合っている絵。
エンキには蛇、ニンフルサグは2本の角が描かれている。
中央はメノラー・生命の樹・七枝刀の原点?
日本神話のイザナギ(エンキ)、イザナミ(ニンフルサグ)の原点か?(ナギは蛇の意味)

中国神話の人類創世に関わる伏羲と女媧との関係と類似。

イナンナ (シュメール神話)・・・ニンフルサグを凌ぐ女神パワー

シュメール神話の女神(紀元前40~31世紀ごろ)
「天の女主人」、「エデンの女主人」という意味。夫の牧神ドゥムジは「エデンの主人」。
シュメール語でエディンは空き地、草原、原っぱという意味。
『旧約聖書』の創世記に出てくる「エデンの園」のエデンは、シュメル語のエディンから来ているのではないかとする説が有力とされています。 エデンは「東のかた」にある・・。日本?ではないかという説もある。

金星、愛や美、戦い、豊穣の女神
「エンリル」と「エンキ」の二人の共通の孫娘で、 ニンフルサグと仲がよく、ニンフルサグから「金星の女神の称号」と神の地位を与えられました。
エンリル・エンキ・ニンフルサグの能力を持ち合わせる史上最強トリプル合体型女神。
イナンナは生命の源であり、天の栄光を象徴する女神であるが、彼女が「荒々しく輝いている」ときには、恐怖しか感じさせない。イナンナへの賛歌では、彼女は偉大なの姿で「火に風を送って、雨のように国に降らせる」とされています。
シンボルは藁束と八芒星(もしくは十六芒星)とΩ(オメガ)
聖花はギンバイカ、聖獣はライオン。
私はαでありΩのΩか?

イナンナ像

ニンフルサグ(左)とイナンナ(右)
天には 八芒星 (金星)が輝いている。

八芒星 =金星
日本神話でよくでる数字八
イエス・キリストのシンボル8

イシュタル(メソポタミア神話)・・・金星を意味する女神

メソポタミア神話の女神(紀元前30世紀ごろ)
メソポタミア神話は、シュメール人、東方セム語アッカド人、アッシリア人、バビロニア人と後に移住してきたアラム人カルデア人のもつ信仰を共有し、発展させた神話。
旧約聖書由来のストーリー( 創造神話、エデンの園、大洪水、バベルの塔 )は、メソポタミアの神話をベースにしている可能性が指摘されている。
シュメール神話のイナンナと習合し、金星・愛欲・美・戦争を司る女神として崇拝されるようになった。
「イシュタル」とは金星を意味し、明けの明星としては男神、宵の明星としては女神であったが、最終的に1つの女神として習合。
後に、豊穣神としての面が再び注目されるようになった。
イシュタルを示す楔形文字が豊穣を示すアシの束であることから、豊穣の神であったと推察される。
(日本神話の豊葦原中国(瑞穂国:日本の美称)のアシと関係?? 注:福島瑞穂ではなく)
英名ヴィーナスでよく知られるローマ神話のウェヌス、ギリシア神話におけるアフロディーテのモデルになったとされている。

バーニーの浮彫
両手にΩのシンボルを掲げる

ハトホル(エジプト神話)・・・エジプトのニンフルサグ

古代エジプト神話の愛と美と豊穣と幸運の女神。 聖獣は牝牛。
2本の角を持ち、間に太陽円盤を載せ、ニンフルサグと類似点がみられ、ニンフルサグと同一視されることもあります。
治療の神でもあり、パンと牛乳、イチジクを冥界に行くものに与えたことから 「イチジクの女主」 と呼ばれ、死者を冥界に導くとされる。
ニンフルサグー死者を冥界に導くーイザナミっぽい面も。
ホルス(エジプト神話で最も偉大な神。天空と太陽の隼の神 の母あるいは妻。太陽神ラーの娘あるいは妻とも)
時代が下るにつれハトホルへの崇拝は、イシスらと共にローマ帝国にまで広がり、ギリシアでは、アプロディーテーと同一視されています。

左手にもっているのは生命の象徴アンク
頭には太陽とコブラ

イシス(エジプト神話)・・・マリア信仰・西洋女神の原点

古代エジプト神話の豊かなナイルの土壌を表す豊饒、愛、魔術の女神で、エジプト神話の中ではイナンナ級最強女神。
オシリスの妹であり妻。ホルスの母で、オシリスの玉座を守る守護神でもある。
外見は、トビあるいは、背中にトビの翼を持った女性として表される。
後に、頭部にハトホル女神から受け継いだ牛の角と太陽円盤を持った女性としても表されるようになる。(ニンフルサグからイナンナへの受け継ぎと話しが類似している)
ギリシャでは、アフロディーテと同一視され、ローマで信仰が広がると、「ホルスに乳を与えるイシス女神」像が、イエスの母・マリアへの信仰の元になったといわれる。
(キリストとホルスは類似点が多い クリスマスはホルスの誕生日)

イシス像

アナーヒタ(ペルシャ神話)・・・ゾロアスター教の善の女神

ペルシャ神話に登場する女神で、「清浄」を意味し、イシュタルが習合されたものと考えられています。
ゾロアスター教(紀元前六世紀)では中階級の善神に相当するも絶大な人気を誇ります。
川や水を司る水神で、健康、子宝、安産、家畜の生殖・作物の豊穣の神 。
ハラフワティー・アルドウィー・スーラーとも呼ばれ、ハラフワティーがインドのサラスヴァティーの起源と考えられています。
力強い色白の腕を持ち、四角い黄金の耳飾りと、百の星をちりばめた黄金の冠をかぶり、黄金のマントを羽織り、首には黄金の首飾りを身に付け、帯を高く締めた美しい乙女の姿をし、ペルシア7曜神では金星神とされています。

アフロディーテ(ギリシャ神話)・・・ビーナスの原点

ヘレニズム時代(紀元前3世紀)のギリシャ神話に登場する、愛と美と性を司る神話の女神。
生殖と豊穣、すなわち春の女神 でアナーヒタと習合.
クロノスによって切り落とされたウーラノスの男性器にまとわりついた泡(アプロス、aphros) から生れたことから語源となっています。
聖獣はイルカで、聖鳥は白鳥、鳩、雀、燕。
聖樹は薔薇、芥子、花梨、銀梅花。真珠、帆立貝、林檎もその象徴。
イシュタル同様、豊穣 多産 の植物神とする金星の女神から、金星をアフロディーテの星とよぶようになったとされています。

ウェヌスあるいはビーナス(ローマ神話)・・・金星を意味する女神

言うまでもなく世界で最も知られた女神の名前。
ローマ神話に登場するウェヌスは金星を意味すると共に「愛と美の女神」。
ギリシア神話におけるアプロディーテーと同一視され 、愛と美の女神と考えられるようになりました。

フレイヤ(北欧神話)・・・Friday(金曜日)の語源

北欧の地母神。
美と愛の女神であり、さらには魔術の女神。
元々は太女神で、その名フレイア(Freya)は「女主人」を意味します。
兄にして配偶神である豊穣神フレイと一対を成すとされています。
Fridayすなわち金曜日はフレイとフレイアの日を意味したように、金星的シンボルも含んでいるものと考えられます。
ローマ人はフレイアをヴィーナス(アフロディーテ)と同一視していたようです。

サラスヴァティー (インド神話)・・・川の化身で芸術、芸能の女神

ヒンドゥー教の創造神ブラフマーの妻。
(ということは、ブラフマーはエンキに該当)
水と豊穣の女神 。
ゾロアスター教のアナーヒタが起源と考えられています。
聖なる川、サラスヴァティー川の化身で、流れる川が転じて、 芸術・学問などの知を司る女神となった。
肌は白く、額には三日月の印を付け、4本の腕を持ち、2本の腕には数珠とヴェーダ、もう1組の腕にヴィーナと呼ばれる琵琶に似た弦楽器を持ち、白鳥またはクジャクの上、あるいは白い蓮華の上に座る姿として描かれる。
白鳥・クジャクはサラスヴァティーの乗り物。

ラクシュミー(インド神話)・・・インド神話のビーナス的存在

ヒンドゥー教の女神の一柱で、ヴィシヌの妻で美と富と豊穣と幸運を司っています。

蓮華の目と蓮華の色をした肌を持ち、蓮華の衣を纏っている。
4本の腕を持ち、持物は水蓮。
常に大きな蓮の花の上に座り、周りにも蓮の花があります。大きな蓮の花は、神聖なる真理を象徴し、周りの蓮の花は、豊かさ、美、純粋さを表しています。
仏教では吉祥天、 密教においては功徳天と呼ばれています。

弁財天(インド・中国・日本)・・・弁天様でおなじみ

仏教の守護神。
「七福神」の一員として宝船に乗り、縁起物にもなっています。
元は、ヒンドゥー教の女神サラスヴァティーが仏教に取り込まれた呼び名で、インドから中国を経て神仏習合などによって信仰対象となりました。
日本の弁財天は、インド、中国と微妙に異なり、吉祥天など他の神も習合している面があるようです。
本地垂迹では、 市杵嶋姫命(いちきしまひめ)
と同一視されることが多く、明治以降、 弁財天を祀っていた神社には、市杵嶋姫命を祭るところが多い。
また、瀬織律姫が弁財天として祀られているところもあるようです。
密教では、両界曼荼羅のうちの胎蔵界曼荼羅に現れ、妙音天、美音天と呼ばれています。
弁財天は、蛇神である 宇賀神 と習合した 宇賀弁才天が中世以降信仰が広がり、蛇や龍の化身と考えられましたが、この伝統は日本だけのもののようです。

弁財天

宇賀 弁財天

市杵嶋姫命 (いちきしまひめ)・ 狭依毘売命(さよりひめのみこと)

市杵島姫は、天照大神と素戔嗚尊の天眞名井で行った誓約で誕生し、田霧姫(タギリヒメ)、た湍津姫神(タギツヒメ)とともに宗像三女神の1人として有名な女神です。
「イチキ(斎き)」は神霊を斎き祭るという意味があるそうです。
その後、この「三女神」は、天孫降臨で天下った「ニニギノミコト」を助けるために、九州玄界灘に浮かぶ島々(沖ノ島、大島、田島)に降り、この地を治めるようになった事が「宗像神社」の始まりとしています。
また、日本で八幡神社の総本社である大分県の宇佐八幡宮はタギリヒメ・タギツヒメとともに比売大神として京都府の石清水八幡宮でも同様に、比咩大神として、左御前に祀られています。

また、インドのサラスヴァティーとヒンドゥー教の美と富と豊穣と幸運を司る女神ラクシュミー(吉祥天)を取り込んだ弁財天と習合し、福の神・芸能の神・美の神としても祀られています。

イチキシマヒメ(市杵島姫命)を祀る神社では龍神様を祀っていたり(竹生島神社)、龍神伝説が残る地(江島神社・龍口明神社等)があります。
瀬織津姫と同一視され、龍神とも関りがあると考えられています。

別の説
実際、この「宗像信仰」に関係する学術調査を行った静岡理工科大学の報告書では、元々、上記の三女神は、別々の氏族の信仰対象(神様)だったのですが、それが、政治の都合で、「北九州地域」に集められ、現在の「宗像大社」となったとされています。それが、どの様な関係かと言うと、次の様になっているとしています。

・田心姫神(たごりひめ) :沖ノ島、 出雲氏系の神様
・湍津姫神(たぎつひめ) :大島、 大和朝廷の神様
・市杵島姫神(いちきしまひめ) :田島、 大陸/半島系の海人族の神様
当時(弥生時代後期)の日本は、ちょうど半島経由で「鉄」の流入が始まった時期で、その「鉄」の利権に関わる、大陸/半島系の氏族、出雲系の氏族、それと大和朝廷が「三つ巴」となり、「鉄」を獲得しようと、必死になっていた時期に重なるとしています。

厳島神社

広島県の厳島神社は推古天皇時(593年)、佐伯鞍職が市杵島姫 祀ったのが始まりで、かつて平家が崇拝していた神社として名高い。
(世界的に有名な景教研究家で日ユ同祖論を唱えた佐伯好郎博士は 厳島神社 の神官の流れの出でクリスチャン)

宇佐八幡宮

全国に4万社をもつ大分県の宇佐八幡神宮。
大分県(豊後)は5世紀頃、隋書倭国伝に秦王国と言われていた地。

石清水八幡宮

平安時代前期に宇佐八幡から勧請された神社で、延暦寺の鬼門に対し、裏鬼門を守護する神社。

瀬織津姫(せおりつひめ)

瀬織津姫命は記紀に登場しない神であるのに、祝詞の中でも特に重要な大祓詞に登場する女神。
元は縄文時代から土着し全国にいたとされる女神ですが、記紀になぜ登場しないのか謎を呼び、注目を浴びている女神のようです。
水神や祓神、瀧神、川神と「水」と関係の深い女神。
九州以南では海の神ともされています。

瀬織津姫は別名・大禍津日神(おおまがつひのかみ)とも言われ、天照大神の荒御魂で、天照大神の妻とされることもあります。
「西宮」の地名由来の大社である廣田神社(兵庫県西宮市)は、天照大神荒御魂を主祭神としているが、戦前の由緒書きには、瀬織津姫を主祭神とすることが明確に記されているようです。
一方、瀬尾律姫は市杵島姫と同一神であるとされ、京都宮津にある元伊勢神社で有名な籠神社を祀るニギハヤヒの妻が市杵島姫であることから、ニギハヤヒの妻という説もあり謎が多いようです。

ジブリアニメの「千と千尋の神隠し」に登場する白龍ハクがニギハヤヒと言われています。千尋は神隠し(消された)とかけてニギハヤヒと瀬尾律姫のストーリーにしているようだ。

豊受大神(トヨウケビメ)・・・めだたないが重要な食物の神 

イザナミが火の神カグツチを産み、陰部を火傷して苦しんでいたとき生まれた和久産巣日神(ワクムスヒノカミ)の娘で、 伊勢神宮の外宮に祀られている祭神で有名。
雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比治の真奈井(ひじのまない)にいる御饌の神、等由気太神(とゆけおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と言われたので、外宮に祀るようになったとされているます。
しかし、記紀にはほとんど記載がないよく分からない謎の女神。
「ウケ」は食物のことで、食物・穀物を司る女神で、後に、他の食物神の大気都比売神(おほげつひめ)・保食神(うけもち)などと同様に、稲荷神(宇迦之御魂神)(うかのみたま)と習合し同一視されるようになりました。

豊受大神宮の神官で、伊勢神道の大成者度会家行は、 豊受大神を天之御中主神や国常立尊と同一視 し天照大神よりも格上と位置付けようとしたことでも知られています。

伊勢神宮の外宮豊受大神宮

金星との関連性がどこにあるのか不明・・。

大宜都比売(オオゲツヒメ 古事記名)・保食神 (ウケモチノカミ 日本書紀名)
・・・記紀に登場数が多い女神

大いなる食物の女神」の意味で穀物の神とされています。
伊邪那岐命と伊邪那美命の国産みにおいて、一身四面の神である伊予之二名島(四国)の阿波国・粟国(徳島県)として初めて登場します。
その直後の神産みにおいて、どういうわけか他の生まれいづる神々に混じり、ほぼ同名といえる「大宜都比売神」が再度生まれている記述もあります。

記紀には、豊受大神の記載はほとんどないのに対し、大宜都比売の記載は頻繁に登場するのも謎です。
後世には稲荷神と習合し、宇迦之御魂神の代わりに大宜都比売が祀られている稲荷社もあります。

また、古事記と日本書紀で殺される場面が登場しますが、その記載内容が若干異なっています。

古事記
オオゲツヒメは高天原を追放されたスサノオが空腹になった時、食物を与えますが、鼻や口、尻から食材を取り出し汚らしかったのでスサノオに斬り殺されます。
このとき、頭に蚕が生まれ、2つの目に稲種が生まれ、2つの耳に粟が生まれ、鼻に小豆が生まれ、陰部に麦が生まれ、尻に豆が生まれます。

日本書紀
ウケモチの神を訪ねたツクヨミは 口から食べ物が出て来るのを見て、殺してしまいました。
その為にアマテラスと絶交状態になります。
これが太陽と月が一緒に空にいられない理由となっています。
このとき、頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦・大豆・小豆 が生まれますが、 オオゲツヒメ の発生順番が異なっています。
これらの生る場所と生る物との間には、朝鮮語ではじめて解ける対応があるようです。 (金沢庄三郎博士ほか)
頭(mara) と馬(mar)
顱(cha)と粟(cho)
眼(nun)と稗(nui白米に混じった稗類)
腹(pai古形はpari)と稲(pyo)
女陰(poti)と小豆(pat)


殺された神から食物が生まれるパターンの神話はハイヌウェレ伝説 といって、 東南アジアなど各地の神話に見られるもののようです。
日本では、縄文時代の女神像の土偶がバラバラにされて埋められていることから、これと関連あるのではないかと推察されています。

参考:https://lunabura.exblog.jp/15336975/

素戔嗚尊に殺されてしまうかわいそうな神様
しかし、その死に方は縄文スタイル的な意味が含まれているらしい。

上一宮大粟神社

大宜都比売を祀る徳島の上一宮大栗神社

上一宮大栗神社にある小さなお社の中には白い狐。 狐は(ケツ)ネと呼ぶそうな。

吉田敦彦学習院大学名誉教授によると大宜都比売神は縄文宗教の主神だった女神で、世界的に見ると大地の豊饒(ほうじょう)、生成、繁殖力を人格化した女神つまり、地母神と指摘。
その源流は、旧石器時代末期の象牙(ぞうげ)、骨、石などに彫られたいわゆるビーナス像にまでさかのぼると言い、日本では縄文のビーナス像や縄文の女神像でおなじみの土偶のことと思われます。
吉田名誉教授はまた「 縄文時代に、土偶や土器に姿を表現され崇められた女神がその前身だが、女神像だったと思われる土偶のほとんど全てが、破片の状態で発見されることから、縄文時代の人々が、土偶を作っては壊すことで、女神を殺してその体から作物を生じさせようとする祭りを繰り返していたことが推察できます。

宇迦之御魂神 (稲荷神 )・・・お稲荷さま

秦氏の氏神。
古事記では、素戔嗚尊の娘、日本書紀ではイザナギ、イザナミの娘として生まれたと記載されていますが、特に実績がある神様ではありません。
日本最大の神社数を誇り、「お稲荷さん」として親しまれる稲荷神社の代表的な神様。
京都の伏見稲荷大社 は3万社あるといわれる稲荷神社の総本社 です。
稲荷神社の入口に祀られている狐は、稲荷神の使いで、狐の神様というわけではありません。

イナリの由来は、山城国風土記によれば、 秦氏の祖先、伊呂具秦公(いろぐの はたの きみ) という富裕者が餅を的にし矢を放ったところ、餅は白鳥となって飛んでいき、降りた場所に稲がなっていたので、社名を「伊奈利いなり」と名付けたという。
名前に「稲」とつくように、もともとは五穀と養蚕を司る穀物神、農耕神で、食物を司る神であることから、御饌都(ミケツ)神ともいわれています。

当初は、京都の豪族秦氏が農耕の氏神として祀っていたものでしたが、平安時代に入り、真言密教の開祖空海が、東寺(教王護国寺) 建立の際、秦氏が建造用の木材を伏見稲荷山から切り出し、提供したことがきっかけで真言密教と強く結びつき、仏教的な現世利益の考えとともに全国に広まっていきました。
さらに、中性から近世にかけ、穀物・農業の神 だけでなく、 商売繁昌・産業興隆・家内安全・交通安全・芸能上達の守護神へとつながり現在の信仰に至っています。

景教(ネストリウス派・東方キリスト教)では、イエス・キリストのことを、 しばしば、「JNRI」、あるいは、「INRI」と表現し、稲荷はINRIと結び付けているという説もあります。

京都伏見稲荷大社

全国に3万社の支社をもつ 稲荷神社の総本社

       稲荷神社の分布
四国には稲荷(狐)よりも狸を祀る神社が多いようです。
四国には狐の伝説はほとんどなく、そのかわりに狸の伝説が多い 。

4.まとめ

シュメール神話をはじめ、歴史を下っていくとやがて日本神話の女神とも繋がってくることがみえてくることが分かってくるかと思います。

イナンナを中心に西洋と東洋で分断されてるみたいね。

西洋がすっぽんぽんでハレンチ、東洋が素肌を隠して知的で芸能的な性格になるのも面白いね。