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オレキシン睡眠薬(ベルソムラ)の効果と副作用

向精神薬(抗うつ、抗精神、睡眠薬、抗不安薬)
frolicsomepl / Pixabay

1.オレキシンとは

オレキシンは1998年に発見された神経ペプチドで、視床下部外側野にある神経細胞から生成されるものです。
オレキシンとは「食欲」を意味する「orexis」から命名され、「食欲、報酬、睡眠、覚醒」に関わっています。

※神経ペプチド
、脳の神経細胞内でつくられるアミノ酸結合物で、神経伝達物質やホルモンとして働く物質。神経伝達物質のように「シナプス小胞」ではなく「分泌小胞」に貯蔵され、軸索末端だけでなく、樹状突起、細胞体などから分泌されます。

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オレキシンは「覚醒状態」を維持するものですので、これをつくる神経細胞が消滅し欠乏すると覚醒状態が弱まり

「ナルコレプシー(居眠り病)」
日中で眠気が強くなる睡眠障害
「カタプレキシー」
感情が高ぶったときなどに脱力する発作

といった症状がでるといわれています。

2.オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ)

オレキシン睡眠薬は「オレキシン受容体拮抗薬」と呼び、従来のGABA系睡眠薬(ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系)とは異なる作用で睡眠を促するものです。
2014年11月26日からスボレキサント(商品名:ベルソムラ)が世界でみても日本初の処方箋薬として使用されています。

オレキシンは「覚醒状態」を維持する働きがあるため、オレキシン受容体が阻害されることで神経伝達が弱まり眠り易くなります。
その作用をさせる薬がオレキシン受容体拮抗薬です。

 

GABA系睡眠薬[従来)
ベンゾジアゼピン
非ベンゾジアゼピン

オレキシン睡眠薬(新タイプ)
作用領域脳全体脳中央部
作用抑制を増幅させる覚醒状態を抑える
副作用眠りの質が悪くなる。
依存性がある
離脱症状がある
長期大量服用すると離脱が困難になり、筋力が削げてくる
傾眠(昼間眠気が襲う)
悪夢をよくみる
長期服用の実績は少なく不明
オレキシン睡眠薬3

GABA神経は脳全体に広がっているため、GABA系睡眠薬は脳全体の抑制をします。
一方、オレキシン睡眠薬は脳中心部の神経を鎮める作用があります。

3.副作用

2015年7月の調査ではベルソムラの処方があった推定7.5万人に対して1427件の副作用が報告されています。

従来のベンゾジアゼピン系と比較して副作用が少ないとされていますが、実際、不眠症患者を対象にした臨床試験では、全体の約20%に副作用が現れているようです。これは、ほかの睡眠薬よりも高い数値です。たとえば、マイスリーだと約17%、デパスだと約7%、ハルシオンだと約2.6%です。

副作用の症状としては
・傾眠(昼間に眠気があり、うとうとする)
・悪夢を見る、異常な夢
・頭痛、めまい
などで、「ナルコレプシー」と似た症状がでてくるのが特徴のようです。
特に、ナルコレプシー、カタプレキシーをもった方は症状を悪化させるので注意が必要といえます。

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人によってはよく効く人もいれば全く効かないといった人や、昼間眠くなるため続けることができないといった人も多いようで個人差が大きいように思われます。

使用に注意が必要な人

  • ナルコレプシーまたはカタプレキシーのある人
  • 高齢者
  • 重度の肝機能障害のある人
  • 重度の呼吸機能障害のある人
  • 脳に器質的障害のある人

4.なぜ、オレキシン睡眠薬でよく夢をみるのか?

ベルソムラを使用すると、異常な夢をみるのが特徴ですが、夢をみるということは一種のノンレム睡眠が続いている状態とも考えられます。

脳は電気活動を行っていますが、電気活動を知る手段として「脳波」があります。
覚醒状態はβ波とよばれる振動数(単位時間当たりの波の数)の大きい波がでていますが、深い眠りにおちていくほど振動数は小さくなり、α波、Θ(シータ)波、δ(デルタ)波といった脳波がでてきます。

脳波

浅い眠りのときはα波がでており、この睡眠を「レム睡眠」といいます。このときは、思考を司る「前頭前野」が働いている状態ですが、深い眠りになるほど活動は低下していきます。

深い眠りの熟睡時は思考を司る前頭前野の働きが停止し、海馬といった脳の中心の記憶に関わる大脳辺縁系の領域のみ働いています。
このときはδ波がでており、この睡眠を「ノンレム睡眠」といいます。

睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠が交互に現れますが、前頭前野が働いているレム睡眠のときに夢をみます。

「オレキシン睡眠薬」では強制的に脳の中心部の活動を抑えるため、前頭前野の領域が活発な状態が続いているため夢を見るものと思われます。
レム睡眠とノンレム睡眠の混合型のような、自然の睡眠とは違うパターンになっているので悪夢や異常な夢を見るのではないかと考えられます。

夢と睡眠

5.効果の程度

twitterをみるとやはり夢を見る人が多いようです。
眠れないという人もいるので従来品とあまり変わり映えしないのかもしれません。
ベルソムラの効果

※薬は睡眠改善させるものではないので乱用にご注意を。
アルコールと併用している方もいますがとても危険です。

6.まとめ

オレキシン拮抗薬(ベルソムラ)は従来のGABA系睡眠薬とは作用の異なる薬です。
従来品は脳全体を抑制させることで眠り安くする薬ですが、オレキシン睡眠薬では脳中央部の活動を抑える薬で、通常の睡眠とは異なり副作用として異常な夢を見る人が多いようです。
メリットといえば、依存性が低いことと離脱症状がでにくいことかと思いますが、長期服用の実績もあまりないので、過信しないほうがいいと思います。