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アルコール・タバコ類と向精神薬との比較

向精神薬(抗うつ、抗精神、睡眠薬、抗不安薬)

1.はじめに

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向精神薬(睡眠薬/抗不安薬、抗うつ薬、抗精神薬)は脳の中枢神経に作用し精神状態をコントロールする薬です。
同じ様に、精神状態をリラックスさせるタバコ、酒、コーヒーといった嗜好品や麻薬、覚醒剤はどのようにして精神状態を変化させるのか見ていきたいと思います。

2.嗜好品(タバコ、ニコチンなど)も神経伝達物質が作用している

お酒、コーヒーといった嗜好品は大人の人なら馴染み深い嗜好品で欠かせない人も多いかと思います。

とはいえ、

「摂りすぎは身体によくない<`ヘ´>」

という話は小さい頃からよく聞く話で、なるべく控えようと気をつけようとする方もいると思います。

なぜ気をつけるかというと、タバコなら発がん性、お酒なら肝臓を悪くするなどといった

健康に害を与える

からでしょう。

また、こういった嗜好品の特徴としては

「ほっとする」
「楽しい」

といった精神を楽観的にさせたり、安定させる作用や、時間が経つと

「いらいらする」

といった「依存症」がでてくる特徴もあります。

こうした特徴をみると、「向精神薬」と似た特徴を有していることに気づくかと思います。

実際、これらの嗜好品も向精神薬と同じように、脳の中枢神経の受容体に働きかけ神経伝達物質をコントロールしているのです。

嗜好品と作用する受容体

嗜好品活性物質作用受容体

タバコ

茶、コーヒー

ペパーミント

ニコチン

エタノール(アルコール)

カフェイン

メントール

アセチルコリン受容体(ニコチン性)

GABAA受容体、グルタミン受容体、セロトニン受容体(5HT3)、NMDA受容体(阻害)

アデノシン受容体、リアノジン受容体、GABAA受容体、ホスホジエステラーゼ

メントール受容体

例えば、タバコを例にとります。
タバコを吸うとニコチンが血液の中に入り脳に輸送され、血液と脳の組織液の物質交換をする「血液脳関門(BBB)」でニコチンは脳内へと浸透していき神経細胞へ移動します。

ニコチンは、神経伝達物質のアセチルコリンを分泌する神経細胞のニコチン性受容体に作用することでアセチルコリン分泌を促進し、ドーパミンやノルアドレナリンの分泌を促すことで「快」、「覚醒」効果を高めます。

血液脳関門は、血液と脳の組織液との間の物質の移動を制限する関所のようなもので、生体に危険な物質を脳内にいれないようとする働きがあります。

ニコチン、カフェイン、麻薬、覚醒剤、向精神薬などはこの血液脳関門を通過することができるため、神経細胞へ作用することができるのです。

脳関門

血液脳関門

3.依存症と報酬系回路

アルコールや麻薬などは「幸福感や愉快な気分」となりますが、これは中脳の大脳基底核にある腹側被蓋野(ふくそくふがいや)を中心としたドーパミン神経系統からなる「報酬系回路(A10神経系)」が働くためと言われています。

腹側被蓋野にはA10細胞集団と呼ばれるドーパミン神経細胞の集合体が存在し、ここが刺激を受けると報酬系回路が作動します。

腹側被蓋野は側坐核-中隔核に延びる「中脳辺縁系経路」、前頭前野へと延びる「中脳皮質経路」、扁桃体、海馬、青斑核とつながり、これらで報酬回路が構成されています。

ニコチン、アルコール、麻薬、覚醒剤などが入り、腹側被蓋野が刺激を受けると、快楽中枢とも言われる「側坐核」や前頭葉を刺激して報酬系回路が働き「快感」「覚醒」などをを得ます。

ただし、耐性がすぐに獲得され、これらの物質による腹側被蓋野への刺激が続くと、受容体の働きが鈍くなってドーパミンを分泌せず 禁断症状となり、より多量の刺激物質を要求する悪循環に陥り「依存症」にも繋がっていきます。

また、この「報酬系」は口から取りいれるものだけでなく、ギャンブルのようなリスクが高い勝負に勝ったときにも働くとされています。

報酬系回路

報酬系
報酬系MAP

A10神経系が作動するとドーパミンが出て、愉快、大胆、にこやか、おおらかになる。

4.嗜好品、覚醒剤、向精神薬の比較

向精神薬、嗜好品、覚醒剤、麻薬も作用機序は基本的にはどれも神経細胞のトランスポーターや受容体などに作用するもので、精神コントロールを行う原理は同じようなものです。

それらの違いを表Aに比較しまとめましたが、向精神薬と嗜好品、覚醒剤、麻薬との大きな違いは

報酬系回路への影響度であり、向精神薬は依存性が小さいという程度ではないでしょうか。

嗜好品、薬物と向精神薬の相違点

共通点:脳内の中枢神経細胞間に作用し神経伝達物質をコントロール
非共通点:報酬系(快)へ作用する強さ
  向精神薬は報酬系への作用はない(あるいは小さい)

タバコ、お酒などでは一時的に精神状態をリラックスさせたり、不安を取り除いてはくれますが、時間が経つと元の状態に戻ってしまいます。いくら摂取し続けたとしても、不安、怒りといった負の感情が永久に消滅することはないはずです。

向精神薬は報酬系に強く働かないために、嗜好品や麻薬のような「気持ちいい感じ」にはなりませんが、気分を持ち上げる作用は同じで、あとはだいたいタバコやコーヒーと似たようなものと思います。
薬の効果が切れると元の不安定な状態に戻るばかりでなく、離脱症状でさらに不快になるため、薬が必要な身体となり依存症に近いものとなってしまいます。

結局、タバコやコーヒーとおなじように精神状態を一時的に麻痺して安定させるだけの麻酔のようなもので、治療するためのものではないことが分かると思います。

効果が切れたときの比較

品目効果きれた時の症状 
嗜好品、麻薬、覚醒剤
(報酬系に作用)
効果が切れるとほしくなり自発的にとってしまう。ともに止められない
向精神薬効果が切れるとほしくなるわけでないが、離脱症状がきつくなり飲まなくてはいけない。 

表A
嗜好物、覚醒剤、向精神薬と神経伝達物質への作用

品目活性物質作用機序
タバコ

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ニコチン

ニコチンニコチンがニコチン性受容体に作用すると、アセチルコリンが分泌促進する結果、ノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン、バソプレッシン、成長ホルモン、副腎皮質刺激ホルモンなどの複数の神経伝達物質の放出が促進されます。

ニコチン摂取によって、「報酬系」が作動し気分や認知機能が向上し、大脳皮質全体に覚醒がもたらされます。

また、ニコチンを摂取すると、血管収縮により血圧が上昇し、心拍数も増加します。

お酒・アルコール

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エタノール

エタノール

エタノールはGABA,グリシン、セロトニン、グルタミン酸神経などに作用します。
抑制系のGABAが刺激を受けることで鎮静、催眠作用を受け抗不安、ふらつきなど生じてきます。また興奮性と記憶制御のグルタミン酸のNMDA受容体が阻害されることで記憶力が低下やセロトニンの5HT3受容体に作用することで嘔吐が起こります。

アルコールが増えていくと報酬系にも作用するため「愉快」な気持ちになっていきます。

コーヒー

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カフェイン

カフェイン アデノシンA1、A2は、報酬系回路を抑制する働きがあります。
そのため、この作用を阻害するカフェインは、報酬系を作動させます。

また、アデノシンA2受容体は、視床下部にある腹外側視索前野に作用してノンレム睡眠を発現させます。カフェインはこの作用を阻害しますので、睡眠が妨害されます。

さらに、カフェインは強心作用と血管拡張作用を持ちます。これによって腎臓を通過する血液量も増大しますので、尿量が増え、利尿作用が起こります。

覚せい剤

Amphetamine_Structural_Formulae

アンフェタミン

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メタンフェタミン

ノルアドレナリンおよびドーパミンの放出促進と再取り込み阻害によって中枢神経に作用する。セロトニンには影響しない。

覚醒剤

アンフェタミン、メタンフェタミン、コカイン、メチルフェニデートなどは、
報酬系回路のドパミン放出を促進しながら再取り込みを阻害することで、特に側座核内のA10神経付近にドパミンの過剰な充溢を起こすため、「快」の情動が強く起こります。

向精神薬

睡眠薬/抗不安薬

ベンゾジアゼピン系

睡眠薬ベンゾジアゼピンがGABA受容体に作用することで抑制効果が高まり、不安が低減し、眠りやすくなります。

抗精神薬

定型/非定型

 抗精神薬 ドーパミンのD2受容体やセロトニンの5HT2A受容体に作用することで幻聴・妄想を抑えます。
しかし、副作用としてジストニア、手の震えなど異常行動、生殖機能への障害が現れることがあります。

抗うつ薬


三環系
四環系
SSRI
SNRI
NaSSA等

 

 抗うつ薬セロトニンやノルアドレナリンの分泌を高め、トランスポーターを阻害することで、倦怠感をなくしたり、意欲を高める。

覚醒剤では直接報酬系のドーパミンを作用させるが、抗うつ薬ではノルアドレナリンの分泌で間接的にドーパミンを増やすので「弱めの覚醒剤」ともいえます

向精神薬はいれるとするとこのような感じ?

依存性

5.まとめ

嗜好品、麻薬、覚醒剤は向精神薬と同じように脳の中枢神経の神経細胞間に作用し神経伝達物質の調整をすることで不安や心地よくする物質です。

大きな違いは「報酬系」に作用する影響度(快楽の有無)

報酬系まとめ

安心と思えるところに危険が潜む 

危険と思えるところに安心がある

ひっくり返る2